ちょこ。ころんの介護備忘録

介護士の出来事を記録しています。

介護実話 第3話 ーー介護職員の報酬の現実ーー

 よくニュースやインターネットで介護の仕事は給料が安い、割に合って無いなど良く耳にします。今回は私が勤めた5つの夜勤現場での報酬についてお話します。実際の額と仕事の内容や責任についても交えてご説明します。これから介護現場で夜勤を始める方や初めて介護業界でお仕事をする方へ参考となれば幸いです。

 

 

1.勤務時間

 【現場A】

  出勤 16:00

  退勤 翌10:00

  休憩 1時間 

 

 【現場B】

  出勤 17:00

  退勤 翌10:00

  休憩 1時間 

 

 【現場C】

  出勤 16:00

  退勤 翌9:00

  休憩 1時間 

 

 【現場D】

  出勤 17:00

  退勤 翌9:00

  休憩 1時間 

 

 【現場E】

  出勤 16:00

  退勤 翌10:00

  休憩 2時間 

 

 このような16時間を超える夜勤をロング夜勤というようです。勤務時間はほぼどこの現場も変わりないと思います。また休憩も設けられてはいますが実際は休憩という休憩はありません。一般的に休憩は現場から離れても良いのは通例ですが、私は勤めてきた現場は基本ワンオペのため、離れることは許されていません。過去には実際に現場を離れていた職員が叱責(=解雇)されたようですが、どちらが正しいのでしょうね。もしかするとこれからの課題になってくるのかもしれませんね。

 

2.勤務内容

  ・申し送り業務・・・その日の利用者様の様子や重要なケア情報を共有します。

  ・排泄介助・・・介助が必要な方へのおむつ交換、トイレへの誘導、声掛けを行います。

  ・見守り・・・利用者様の様子を見守り、介助が必要な方への対応と事故やトラブルが起きないよう対処します。

  ・歩行介助・・・歩行が不安定な方への介助を行います。

  ・食事介助・・・ご自身で食事が困難な方への介助を行います。

  ・服薬介助・・・ご自身でお薬の管理が困難な方への服薬の介助を行います。

  ・口腔ケア・・・ご自身で歯磨き等ができない方への誘導や介助を行います。

  ・就寝介助・・・着替えや入れ歯の手入れが困難な方への介助を行います。

  ・巡視・・・2時間置きにお部屋を訪問し、安否確認や様子の確認を行います。

  ・起床介助・・・着替えや入れ歯の装着、身だしなみの整容が困難な方への誘導や介助を行います。

  ・清掃・・・コップや食器の消毒、床の掃除、手摺等の消毒、トイレ掃除、洗濯、ごみの回収と廃棄を行います。

  ・食事の準備・・・お茶、おしぼり、食事用エプロン(必要な方のみ)の準備を行います。

  ・その他ケア・・・尿バルーンバッグ内の尿破棄、湿布の貼付、軟膏塗布、保湿クリーム塗布を行います。

 

 勤務内容については、どこの職場もあまり変わりありません。というより利用される方で内容が変わるという方が正確かもしれません。全て自立でされる方の場合は職員がやる事はほぼありません。ですが、割合的に自立の方と要介助の方は2:8ぐらいの割合が多かったです。

 

 次に夜勤1人で対応する利用される方の人数について現場毎にご紹介します。

 【現場A】 9床

 【現場B】 9床

 【現場C】 20床

 【現場D】 10床

 【現場E】 10床

 

 基本的に人数が多ければ多いほど忙しいイメージです。利用される方の人数が多いからと言って、ケアが必要な方が少ないかというとそんな事はありません。介護度も介助やケアが必要な方も人数が増えるとそのままの割合で増えるイメージです。

 

3.責任負担

 この項目では事故やトラブルが起きた時の職員の責任負担について見ていきます。下記には実際に職員が行う対応について現場別にご紹介します。

 【現場A】

  現場で起きた事を施設長へ報告し、事故報告書を手書きで記入する。

 

 【現場B】

  現場で起きた事を施設長へ報告する。

 

 【現場C】

  現場で起きた事を施設長へ報告する。ご家族へ連絡し謝罪報告をする。事故報告書をタブレット端末へインプットする。場合によってはご家族の自宅まで行き謝罪しクレーム処理までを行う。

 

 【現場D】

  現場で起きた事を施設長へ報告する。事故報告書をPC端末へインプットする。

 

 【現場E】 

  現場で起きた事を施設長へ報告する。ご家族へ連絡し謝罪報告をする。

 

 現場によって、作業分担がかなり異なります。共通して行う事は施設長へ報告し指示を仰ぐ事です。それ以降の対応は職員が全てを負う現場もあれば、報告書まで職員が作成し、それ以降の対応は施設または会社で行う所もあります。

 もしかすると施設長によってやり方が違う所もあるのかもしれません。もし不安に感じる場合は事前に面接等で聞いてみるのもいいかもしれません。

 

4.報酬額

 最後に気になる報酬額です。現場毎の報酬をご紹介します。なお交通費を除いた手当は全て含まれた金額です。

 

【夜勤1回の報酬額】

 現場A・・・¥21,000 

 現場B・・・¥21,500 

 現場C・・・¥25,500

 現場D・・・¥28,000

 現場E・・・¥29,000

 

【年間のボーナス等の報酬額】

 現場A・・・¥ 10,000

 現場B・・・¥      0 

 現場C・・・¥100,000

 現場D・・・¥200,000

 現場E・・・¥100,000

 

【年収】※夜勤10回/月 12か月勤務した場合

 現場A・・・¥2,530,000

 現場B・・・¥2,580,000

 現場C・・・¥3,160,000

 現場D・・・¥3,560,000

 現場E・・・¥3,580,000

 

 前段からも述べてきましたが、入床数が多いとか介護度が高い、ケアが多いからと言って報酬が増えるわけではないようですね。私が現場を変えている一つの理由は、介護の現場ではどれだけ長く勤めても、頑張っても報酬が上がりにくいからです。なので私はこうして転職することで少しづつ報酬を上げる事ができています。これが正解ではないですが、一つの方法として考えてみても良いのではないでしょうか。

 

5.まとめ

 今回は私が今まで勤めてきた現場毎に報酬と業務内容や責任負担などから比較してみました。

 実際には実務的に一番仕事が少なく楽なのは今現在勤めている現場Eの職場です。入床数が多くない事もありますが、何より無駄な雑務が少ないと感じます。他の現場では、これ何に使うの?という作業が結構あったり、同じ記録を3つの媒体に記録したりなどかなり無駄が多かった印象です。

 もちろん今の現場でも感じる事はありますが、これから上司や同僚と相談しながら改善していけたらと考えています。

 介護の仕事は報酬だけが全てではありませんが、報酬は大事です。私は必ず面接の時に細かく聞くようにしています。よくお金の話は恥ずかしいと卑しいとかの理由でなかなか人に聞けない方もいらっしゃいますが、仕事も私たちも大事な人生の一部です。もし気になっている人がいるのであれば勇気を出して、恥を捨てて聞いてみましょう。